ブラジル、市場予想に反し、政策金利据え置きを決定

市場予想に反し、政策金利据え置き



ブラジル中央銀行は5月16日(水)の通貨政策委員会(COPOM)で、市場の0.25%利下げ予想に反し、政策金利を6.50%に据え置くことを全会一致で決定しました。


中央銀行は、インフレ率の低下を背景に、これまで12会合連続で政策金利を引き下げてきましたが、今回は2016年8月以来の据え置きとなりました。

図表 政策金利とインフレ率の推移(2012年1月2日~2018年5月17日)

注:政策金利は実施日ベース
  インフレ率は拡大消費者物価指数の前年同月比、2018年4月まで
出所:トムソン・ロイターのデータをもとにHSBC投信が作成

中央銀行は声明で「世界情勢の見通しは一段と厳しく、かつボラティリティが高まって来ている。この結果、新興国市場へのリスク選好度が低下している」としています。


また、委員会は「物価動向は引き続き良好で見通しも目標に沿ったものだが、外的要因から、インフレに対するリスク・バランスに変化が生じている」と指摘し、次回の会合(6月19日・20日)でも「政策金利を現在の水準に維持することが適切と考える」としています。


一方、中央銀行が集計した現地市場関係者の予想(5月11日時点)を見ると、インフレ率(IPCA)は2017年通年実績の+3.0%から2018年は+3.45%、2019年は+4.00%とやや上昇するものの、今後、来年にかけても目標中央値(+4.5%)を下回る水準での推移が見込まれています。

当社では引き続きブラジル株式・債券 市場を有望視、レアルの戻りに期待



ブラジルでは景気の回復、インフレ率の低位安定、経常収支赤字の縮小など、経済ファンダメンタルズが着実に改善しています。特に景気の回復は一段と鮮明になっており、現地市場関係者は、2018年の実質GDP成長率は+2.51%、2019年は+3.0%と2017年実績の+1.0%からの加速を予想しています。


当社では、ブラジル株式・債券を引き続き有望な投資対象と見ています。株式運用担当者は、景気の回復に伴う企業収益の改善が株式市場の主な上昇要因になると見ています。運用においては、収益性とバリュエーションの両面で妙味がある銘柄に引き続き焦点を当てる方針です。また、債券運用担当者も、相対的に高い利回り水準に妙味があることに加え、引き続きインフレ率の低位安定が債券市場を下支えすると見ています。


一方、ブラジルレアルは、米国との金利格差縮小や10月のブラジル大統領選挙を巡る不透明感を背景に、本年1月下旬以降、対米ドルで下落しています。しかしながら、当社では、レアルは中長期的に堅調推移を見込んでいます。上述のように、ブラジル経済のファンダメンタルズは改善しており、実質金利は高水準、またレアルは最近の下落で割安感を増しています。今回、中央銀行が利下げを見送ったことも、レアル相場にはプラスに働きます。但し、当面のリスク要因として、10月の大統領選挙に向けた動きを当社では注視していきます。

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