インベストメント・マンスリー2019年4月号

一段とハト派姿勢を強めるFRB


マクロの見通し

「ナウキャスト」(世界や各国・地域の経済状況を推計する当社独自のモデル)では、足元の世界経済は落ち着いているものの、その成長率はトレンド成長率(長期の趨勢的な成長率)を下回っている。米国経済については堅調を維持しており、足元では賃金上昇の兆候も見られる。


ナウキャストは短期的な景況の改善を示しているが、当社の判断では世界経済は循環的な減速局面にある(ただし景気が大きく冷え込むことはなく、プラスの成長を維持する)。


重要なことは、最近の主要中央銀行の政策の変化により、世界経済の見通しが改善しているということだ。例えば中国は景気浮揚に政策の軸足を移しており、世界の貿易の改善と相まって、中国景気を下支えすると期待される。


ユーロ圏では、自動車のサプライチェーンの混乱などの問題はあるものの、欧州中央銀行(ECB)は貸し出し条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)を再開し、銀行貸し出しの後押しを図る。

中央銀行の政策

米連邦準備制度理事会(FRB)は3月の政策会合で、2019年中に利上げは行わないとのシグナルを出した。緩やかな経済成長と落ち着いたインフレ環境が背景である。


ユーロ圏の景気見通しとインフレ見通しの下方修正を受け、欧州中央銀行(ECB)は3月の会合で、2019年には利上げを行わず、銀行に低いコストで流動性を供給する方針を表明した。


英国では賃金上昇圧力の高まりがみられるが、イングランド銀行(中央銀行)は、英国のEU離脱(Brexit)を巡る不透明感が強まる中で慎重なスタンスを維持し、3月の会合では政策金利を据え置いた。


日本銀行は、インフレ率が目標水準の2%を大きく下回る中で、緩和スタンスを継続。


中国は、2019年の政府活動報告で、中国人民銀行(中央銀行)に緩和政策を取るよう促した。

主なポイント

2019年に入り、景気についての市場予想は改善した。


ただ市場はインフレ率が上昇するリスクを無視しているようだ。すでに割高な水準にある先進国国債にとり、インフレは大きなリスクである。


よって当社は、ダウンサイド・リスクに対し、より安全余裕度が高い資産を選好する。世界経済の緩やかな成長(景気後退には陥らない)が続き、主要中央銀行が景気重視の政策スタンスを取る中で、アセットクラスとしては株式や新興国資産が有望と考える。


社債などクレジット・リスクから得られる期待リターンは低下している。投資適格社債は割高な水準にある。「緩やかな経済成長」の恩恵を受ける資産として、当社は株式を選好する。

主なリスク

出所:HSBCグローバル・アセット・マネジメント(UK)リミテッド

当社の見方

債券のバリュエーションは割高であるため、下値リスクに対し安全余裕度の高い資産を選好
世界経済の成長、主要国中央銀行のハト派スタンスが見込まれる中で、引き続きグローバル株式を選好


世界株式:2019年に入り株式市場は上昇したが、依然として、リスク調整後の期待リターンは債券よりも魅力的である。


国債:利回りは一段と低下。市場はインフレリスクを織り込んでいないと思われる。引き続きアンダーウェイトとする。


社債:最近、社債は価格が上昇しており、期待収益率は低下している。市場が示唆するデフォルト率は予想されるデフォルト率よりも低い。慎重なスタンスが求められる。

※上記見通しは運用委託契約、ベンチマーク、リスク特性、様々な地域の資産への投資可能性とリスク水準によって異なる場合があります。
出所:HSBCグローバル・アセット・マネジメント(UK)リミテッド

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