中国市場を見る眼(2019年5月14日)

トピックス:中国経済に回復の兆候



中国経済に回復の兆しが見られ、世界第2位の経済が安定化しつつあるとの見方が増えている。第1四半期の実質国内総生産(GDP)成長率は前年同期比6.4%となり市場予想を上回った。5兆8,100億人民元の新規融資と7,172億人民元の地方政府特別債の発行が成長を下支えしている。
経済成長率から企業収益まで、一連の堅調な第1四半期の数値は、中国政府の金融緩和およびその他の政策措置が実を結び始めていることを示唆している。中国当局はこれまで財政刺激策を矢継ぎ早に実行するとともに、企業負担を軽減するために、2兆人民元の減税・手数料削減を発表している。中国政府はまた、インフラ投資を拡大するため、地方自治体の特別債券発行枠を昨年の1兆3,500億人民元から、今年は2兆1,500億人民元に増額している。
対外的には、米中通商協議は5月10日までの交渉は決着しなかったが、閣僚級の交渉は継続している。一方で、昨年の輸出の前倒し実行に伴う調整は、既に収束していると思われる。米中通商協議が破局することがなければ、世界的な需要の安定化、特に設備投資と電子機器の需要の回復は、第1四半期が軟調だっただけに、今後の回復を後押しすることが期待される。

図表1:鉱工業生産、李克強指数、企業利益の推移

注:李克強指数は、銀行融資残高40%、電力消費量40%、鉄道貨物輸送量20%の構成比割合で、前年比伸び率を表示。
  企業利益は工業部門。
出所: ブルームバーグ、HSBCグローバル・アセット・マネジメント(香港)リミテッド

景気回復の兆し、但し回復は緩やか

当社の見解では、3月に見られた経済の回復基調はまだ緒についたばかりであり、今回の景気回復の兆候を持続させるためには、需要の明確な改善が必要となる。また予想される景気の循環的回復は、供給サイドの制約や構造面からの逆風を伴うため、緩やかなものにとどまると見ている。
最近の景気回復や信用伸び率の強さ、また株式市場や一部の大都市の不動産市場に見られる資産バブルへの懸念を考えると、中国政府はさらなる景気刺激策の実行に慎重になると見られる。当局は、経済の重しとなっている構造的問題を重視することが見込まれる。
年初来で中国本土上場の大型株で構成されるCSI300指数は約30%上昇している。また、信用取引残高は依然として2015年のピークを大きく下回るが、取引高は2月以降急増している。中国企業は高い資金調達コストと困難な経営環境の逆風を受けており、最近の株価上昇はファンダメンタルズ要因よりも、バリュエーションの拡大によるところが大きい。当局は、2015年に起きた株式市場の大幅上昇と大幅下落の繰り返しを回避しようとするだろう。

図表2:資産価格バブルへの懸念から当局は一段の景気刺激策には慎重姿勢に

引き締め懸念は思い過ごしか?

しかし、金融および不動産市場に対する引き締め策への懸念は思い過ごしの可能性がある。政府は持続的な景気回復を確実にすることを望んでおり、積極的な財政政策を維持すると繰り返し表明している。現時点では新たな景気刺激策は不必要かもしれないが、当局はさらなる景気刺激策を計画していると見られる。この見方は直近の政治局会議から出された政策シグナルとも合致する。また、今後はこれまでの金融緩和策の効果が一段と現れてくることも見込まれる。
金融政策の焦点は、広範な流動性供給から、銀行間金利の引き下げによる金融機関の資金調達コスト低下、また政策の波及効果の改善を通じた優先分野(例えば民間企業/中小企業および消費の改善)への支援へと移行している。構造改革と相まって、民間部門に焦点を当てた景気刺激策の実施は、より大きく、より広範囲に、持続可能な企業収益を生み出す可能性がある。
今後数ヶ月間にさらなる景気対策が実施される可能性を排除するのは時期尚早だろう。景気の下振れリスクは依然残されており、経済活動の新たな悪化に対応して、再び景気刺激策が議題に戻ってくる可能性があると思われる。

図表3:第1四半期に社会融資総量の新規増加が加速銀行融資、社債発行がけん引

注: *その他は主に資産担保証券および貸付金償却。**オフバランスクレジットには信託ローン、貸付信託、銀行の受入手形が含まれる
出所: ブルームバーグ、HSBCグローバル・アセット・マネジメント(香港)リミテッド

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