中国市場を見る眼(2018年10月2日)

トピックス:中国株式~下落相場は必ず上昇に転じる?



MSCIチャイナ指数は、米中貿易摩擦に加えて、他の国外要因(米ドル高など)、国内要因(成長率の減速懸念など)が重石となり、1月のピークから大幅に下落した(年初来で約11%下落)。先進国株および新興国株に対する中国株の相対パフォーマンスは、長期平均を下回っている(図表1参照)。11月に予定される米国の中間選挙まで、中国株を押し上げる材料は限られている。しかしながら、株価およびバリュエーションが過去平均を下回る中、ほとんどのリスク要因はすでに織り込まれており、中国株がここから反発するか否かを見極める時期が来ていると見られる。

調整は十分か?

2017年8月に通商法301条に基づく米国の調査が開始されてからほんの数ヶ月前まで、米中関係の多くの専門家は、両国の貿易摩擦が相当期間の交渉を経て、最終的には何らかの形で解決すると予想してきた。例えば、全面的な貿易戦争は避けられると見られていた。ところが、米国は今年9月24日には2,000億米ドル相当の中国製品に10%の関税をかけ、来年1月には税率を25%に引き上げる可能性が高まっている。

図表1:中国株の相対パフォーマンスが急激に悪化

出所:MSCI、ブルームバーグ、2018年9月現在

さらに、トランプ大統領は追加で2,670億米ドル相当の中国製品にも関税をかけるとしており、そうなれば実質的に中国から輸入されるすべての製品が対象になる。


但し、関税の負担が重いことは確かだが、中国の長期の経済成長を脅かすものではない。米国向け輸出は中国の国内総生産(GDP)の4%に過ぎない。また、新たに負担する関税の影響を和らげるため、中国政府は日本や韓国といったアジアの主要国との間で自由貿易協定の締結や関税の引下げを推進している。


また、今年に入ってからの(対米ドルでの)人民元安も関税の影響を一部相殺している。但し、李克強総理は通貨切り下げを報復の手段としないと表明しており、人民元のさらなる下落余地は限られている。このため、中国資産に対する投資家の信頼が揺らぐことはないと見られる。


また、小売売上高が減速する中で、投資家は中国の消費の行方についても懸念を示している。しかしながら、統計から除外されているEコマースの売上高や旅行といった重要な指標は2ケタの伸びを示しており、この懸念は必ずしも妥当ではないだろう。


米中貿易摩擦は、中期的には中国のサプライチェーンに大きな影響を及ぼす可能性があるが、このプロセスにおいて、どの企業がどの程度の関税を負担するかを見極めることが株式の分析にとって重要である。例えば、どの銘柄が売られ過ぎであるかを評価する際には、代用品の有無、切替コスト、コストを他に転嫁できるかなどを勘案すべきである。


中国でのオンラインゲームに対する認可の凍結や社会保障改革など一部の規制も主要セクターに対する投資家心理に影を落としている。これらのマイナス要因は収益予想の下方修正に反映されている(図表2参照)。しかし、当社は、2015年と比べて現在の中国経済のファンダメンタルズははるかに健全であると考えている。2019年の中国企業の収益見通しは良好であり、新興国市場やアジアの多くの主要国よりも高い増益率が見込まれる。これに魅力的なバリュエーションと景気刺激型の金融政策と財政政策が組み合わさり、さらに米中貿易交渉が改善の方向に進展した場合に、中国株式反発の条件が整うことが考えられる。

図表2:市場は2019年は再び中国企業が利益成長でリードすると予想

出所: MSCI、ブルームバーグ、HSBC グローバル・アセット・マネジメント(香港)リミテッド、2018年9月

いかに市場は持ちこたえているか?

今年の利益成長率はバリュエーションの大幅な低下によって相殺され、株価は下落した。2017年に本土から香港向けの資金フロー増大の恩恵を受けた大規模企業が大きく売り込まれている。中国株の27%近くの銘柄が過去3年間の安値を下回る中で、最も好調に推移したセクターはエネルギー(+26.5%)と公益(+9.7%)となっている。全体としては、これまで市場をアウトパフォームしている銘柄は37%に過ぎないが、セクター間のリターンはばらつきも大きく、各産業にミスプライスされた銘柄が隠れている可能性を示唆している。

図表3 セクター/銘柄別に異なるリターン

出所: MSCI、ブルームバーグ、HSBC グローバル・アセット・マネジメント(香港)リミテッド 2018年9月

この環境下ではアクティブ投資が付加価値を創出

セクター別に収益と予想の修正状況を見ると、ITハードウェアや半導体など米国への輸出比率が高い産業は今年に入って収益予想が大幅に下方修正された反面、内需産業や政策の後押しを受けている産業は比較的健闘している。


また、個々のビジネスモデルも考慮すべき要因である。例えば、ローン金利の引上げ、ピア・ツー・ピア(P2P)レンディングの規制、政府が言及した過剰設備対応策は自動車株に打撃を与えた。業界再編は勝者と敗者を生むものだが、大事なものを無用なものと一緒に捨てる理由はない。厳密に調査すれば、貿易摩擦の荒波に沈んだ株式を特定できるだけでなく、他の市場参加者がまだ気づいていない投資機会を捉えることも可能だろう。

図表4:中国のセクター別企業収益

留意点

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